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世界の珍スポット - for curious travelers

エレクトリック・レディーランド(オランダ)

Electric Ladyland
(netherlands)

まるでSFの世界!「ヒッピーの楽園」アムステルダムにあるサイケの館


オランダの首都、アムステルダム。
街のあちらこちらにあるコーヒーショップからはマリファナの香りと、トリップを楽しむ人たちの笑い声があふれ出す。まさに「開放的」という言葉がぴったりのこの街は、自由を求め旅をするヒッピーの終着地、「ヒッピー最後の楽園」とも呼ばれている。

今回のオランダ珍スポットは、元ヒッピーが館長を務める、幻覚作用バツグンなサイケアートの世界にトリップできる博物館「エレクトリック・レディーランド(Electric Ladyland)」。


おしゃれで落ち着いたブティックやギャラリーが並ぶJoordan地区。


歩いていると突如現れる、ちょっと怪しげなショーウィンドウが目印!


開館時間は14時。中へ入ると、ケミカルな色彩で彩られたアート作品が乱雑に置かれている。

受付で迎え入れてくれるエキセントリックな風貌のおじいさんは、何を隠そう、博物館の館長ニック・パダリーノ(Nick Padalino)さん。


そして、この博物館がコレクションしているサイケアートというのが、

「発光アート」。

「発光アート」とは、紫外線に刺激され発光する「蛍光塗料」で彩られたアート作品。博物館には、この「発光アート」の普及を目的に、ニックさんがヒッピー時代世界中を旅して収集してきた絵画やオブジェやポスターなどのコレクションを公開されている。

では、発光アートの世界にご案内。入場料(€5)を払うと柔らかな素材でできたスリッパが手渡され(作品を傷つけることがないように館内は土足厳禁)薄暗い地下へ降りて行くよう促される。メインの展示は地下スペースにある。

暗闇で光る鉱石!?ラピュタの石は実在した?

薄暗い地下にたどり着くと、そこには畳30畳ほどのスペースが。
狭いながらも作品と資料で埋め尽くされた空間が、未体験の発光アートへの期待感を煽る。

【※ニックさんご本人の写真は撮影できず。こちらで経歴が見られます→ https://electric-lady-land.com/artgallery-pg.7.html

ニックさんはアメリカ・ニューヨーク州出身の元ヒッピーでアーティスト。自由で寛容なアムステルダムに魅了され、移住後、1999年に「エレクトリック・レディーランド」を創設した。

この博物館のいいところは、館長のニックさんが自らガイドしてくれるところ。
一般人にとってあまり馴染みのない発光アートの世界を、実演も交え案内してくれる。

ニックさんが最初に見せてくれたのは、発光アートの肝となる道具「蛍光塗料」。クレヨンや絵の具などいくつか種類があり、紫外線(ブラックライト)を当てると色彩を持った光が暗闇から浮かび上がる。

ちなみに、世界各地の紙幣やクレジットカードにもこの蛍光塗料が仕込まれてあるとか。ブラックライトを当てて偽物を判断できるようになっている。

そんな蛍光塗料の原料となるのが、紫外線を照射すると発光する不思議な鉱石。展示されている石はどれも、ニックさんが世界各地を放浪しながら、発光アートの資料として集めてきたもの。ガラスケースの中で大切に保管されている。

ブラックライトを当てると、石たちは赤、紫、緑、黄色など、怪しげな光を放出。

これは、鉱石が保有するある種の物質が、紫外線などの外部のエネルギーを一瞬溜め込み、発散するという性質を持つため起こる現象らしい。発光物質の種類や、紫外線の波長の違いによってさまざまな蛍光を発する。この発光物質が外部のエネルギーを光として放出する現象を「ルミネッセンス」というのだとか。

煌々と輝く鉱石は、まるでラピュタに登場する飛行石。
この鉱石を見られただけでもかなりの満足感があった。

ポムじいさん、じゃなくてニックさん(『天空の城ラピュタ』参照)が次に見せてくれたのが、蛍光塗料を使って作られたポスターや宣伝物。通常の照明に照らされたときと、ブラックライトで照らされたときとで、違った絵や文字が浮かび上がる。

天井にでかでかと貼られたジミ・ヘンドリックスのポスターが、かっこいい!
ちなみに博物館の名前「エレクトリック・レディーランド」は、ヘンドリックスが1968年に発表したアルバム名から頂戴したのだとか。

光によって表情を変えるアート作品

発光アートの面白さは、紫外線の波長によって姿を変えるところにある。
蛍光塗料の顔料を何度も重ねできた絵画に、2種類の違った波長を出すブラックライトを交互に当ててみると、それぞれ全く趣の違う風景が浮かび上がる。

Mieraというニュージャージー州出身のアーティストの作品がある。2種類の違った紫外線をあてることで、全く違った色彩の絵となる。

巨大な洞窟を思わせる形状をしたカラフルなオブジェ。これは館長のニックさんが、7年以上の歳月をかけて作り上げている(まだ完成ではない)アート作品。何度も何度も蛍光塗料を重ね、ニックさんがこれまでのトリップで見てきたサイケな世界を、より忠実に表現しようとしている。

ニックさんは自らのこの作品のことを「参加型芸術」と呼んでおり、ブラックライトだけという暗がりの中、観覧者が手探りでオブジェの中を散策し、自分のペースでサイケデリックな瞬間・角度を見出すことを勧めている。

いかがでしたか?
僕は初めて「発光アート」なるものを知ったのですが、世界には面白いものをコツコツと作っている人たちがいるのだな、と感心しました。

「エレクトリック・レディランド」でのツアーは約1時間程度。「ヒッピー最後の楽園」アムステルダムに来たら、一度このサイケの館で異世界を体験してみるのことをオススメする!

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