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テンプロ・デ・サン・シモン (グアテマラ)

TEMPLO DE SAN SIMÓN
(GUATEMALA)

まるでギャング!お酒とたばこが大好きなグアテマラの神様

グアテマラにはお酒とたばこが大好きなへんてこ神様がいる。

へんてこ神様の名前はSan Simón (サンシモン)。人によってはMaximón(マシモン)と呼ぶ人もいるが、正しくはサンシモンであるらしい。キリスト教から派生した神様であるが仏教に例えるといわゆる「邪道」の神様であり、基本的にはキリスト教徒からは嫌われている。ただし、その中で一部の人々に非常に信仰されている神様である。

グアテマラの古都でもあり、世界遺産にも指定されているアンティグアからバスで50分程の街、サン・アンドレス・イッツァパにこのサンシモンのお寺がある。

体育館のような風貌

体育館のような風貌と、入口に待ち構える水着のセクシーなお姉さんに思わずびっくりしてしまったが、これがれっきとしたサンシモンのお寺である。

入口ではセクシーなラテンお姉さんがお出迎え

中に入ると沢山のろうそくが並んでおり、現地人は熱心に祈っている。

寺内の様子。現地人が熱心に祈っている。
色とりどりのろうそく。参拝者の数に比べ、数がかなり多い。

このろうそくの色にはそれぞれ意味がある。

  • 赤:愛、熱い魂
  • 白:愛。そして清純な心
  • 青:健康
  • 黄色:友情
  • 紫:援助・お金
  • ピンク:愛およびお金
  • 水色:運気上昇
  • 黒:厄除け・呪い
  • 緑:黒との併せ技で呪いを強くする

愛にも種類があるのがなんともラテン人らしいところではあるが、怖しいのが黒色と緑色。現地人によると夫に逃げられた女の人は朝・昼・晩と黒いろうそくにチリペッパーをかけて火をつけて、ひたすらその男の名前を唱えると呪うことができるとのこと。寺内でも黒い巨大なろうそくに火をつけて悶々と呪文を唱えている女性を見かけた。本当に怖いのは幽霊ではなく人間であると身で感じた瞬間である。

サンシモンへの感謝の思いが綴られている

さて、サンシモンに参拝するには列に並ばなければならないが、これがなかなか進まない。なぜならその信仰の厚さからか、1グループに対して7,8分ほど時間がかかるからだ。

現地人の参拝方法が下記の通り。

  • サンシモンにひたすらお酒をかける
  • お酒でひたひたになっているサンシモンのマントを絞る
  • お金をサンシモンに投げつける
  • サンシモンの前でラム酒をラッパ飲みする
  • サンシモンの前で葉巻を吸う
  • Chilco(チルコというご利益のある植物)にラム酒をたんまりとかけて、人の身体に叩きつける
右側に置かれている瓶はラム酒。火をつけた蝋燭をラム酒で囲っていた。

なお、必ずしもこの参拝方法に従う必要はないようで、現地人と同じように参拝せずとも基本的に文句は言われないので安心してほしい。ただし神様に背を向けるのは失礼にあたるため、参拝後立ち去る際は後ろ歩きで立ち去るよう心掛けたい。

サンシモン。スーツ姿でピストルを持った神様は他に存在するのだろうか・・・

なお、寺内はお寺であるにもかかわらずギターを演奏する男性がいたりと、教会と比べにぎやかである。
黒色のスーツと帽子、そして髭、さらにはピストルを持った神様などそうそういないだろう。

アンティグアのバスターミナル
こちらの看板を目印に右折。

about the navigator

ツォミ
ホストマザーに「Noはスペイン語でネガティブな言葉だからあなたの名前は今日からツォミよ」と言われるというラテン版千と千尋の神隠し現象が起きて以来、ツォミと呼ばれている20代女性。