テンペルホッファーフェールド公園 (ドイツ)

TEMPELHOFER FELDE
(GERMANY)

広大な空港跡地がジョギングやバーベキューを楽しめる公園に!

ベルリンには様々な公園があり、多くの人の憩いの場となっています。その中でも最も特別な場所はテンペルホッファーフェールド公園かもしれません。そこには広大な草原が広がり、アスファルトの道が真っ直ぐに伸びています。公園にアスファルトの道路の組み合わせは不思議に思えるかもしれないでしょう。ですが、そこには理由があります。この公園はかつて空港として使われていたのです。

ベルリンの中心部にあるテンペルホッファーフェールド公園は1923年から空港として使われていましたが、長きに渡るその役割を2008年に終えました。このようにして突如街の中心に生まれた巨大な空き地。その使い方で考えられたのは、空港の建物や滑走路をそのまま残した公園でした。そのため真っ直ぐに伸びる道路、その周りを草原が囲む広々とした自由な空間が生まれたのです。

滑走路は敷地の中を一周する道路となっています。延々と伸びる道路はジョギングに打ってつけの場所。街の中では車と並走することもあり、安全とは言えません。ですが、ここには車が立ち入ることがないため安全にジョギングを楽しむことができます。また街中では交通信号に走りを邪魔されることもありますが、ここでは走ることに集中することができるのです。
公園でよく目にするのはスポーツを楽しむ人たちの姿。中には珍しいスポーツをする人の姿も見えます。例えば、操作性の高い凧を飛ばすスポーツカイト。クルクルと回る凧にはついつい見入ってしまいます。他にもスケボーとパラグライダーを掛け合わせたようなスポーツ。こちらは風を掴むと浮かび上がり、気持ちよさそうにジャンプを繰り返しています。こうしたスポーツは目の前で見ているだけでも十分に楽しめるでしょう。

多くの人がスポーツで公園を活用していますが、他にも人気の活用法があります。それはバーベキュー。こちらには専用のスペースがあり、無料で利用することができます。週末になれば、多くの人が集まり、モクモクと煙を上げながら屋外での食事を楽しんでいます。ここなら大人数で集ったり、音楽をかけていても、問題になることはありません。そうしたこともあって夏には人気スポットとなるのです。

何より素晴らしいのは美しい眺めです。風景を遮るものがない公園は夕焼けを楽しむには最高の場所。夕焼けに赤く染まる空を見ながらジョギングをしたり、太陽が沈むのを眺めながら食べるバーベキューは格別です。また空港に立ち入るような気分を楽しめるのはここだけかもしれません。このような公園では他の場所では味わえない特別な体験をすることができます。ベルリンを訪れるなら、見逃すことができない場所。ぜひこちらの公園で特別なひと時を楽しんでみませんか。

about the navigator

林 清英
2008年よりベルリン在住。
日本の大学で美術史を学んだ後に渡独。現在はドイツの文化を中心にした記事を執筆中。
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