カタコンブ・ド・パリ (フランス)

CATACOMBES DE PARIS
(FRANCE)

知られざるパリの秘密、時を越えて体験するカタコンブの世界

華の都パリ―中世の街並みが残る美しいこの街には、一風変わった納骨所があります。パリの左岸、14区のDenfert Rochereau(ダンフェール・ロシュロー)駅からすぐそばにあるCatacombes de Paris(カタコンブ・ド・パリ)と呼ばれる巨大な地下墓地には600万人を超える頭蓋骨が眠っており、広さ11000平方メートルでヨーロッパの中でも最大級の大きさです。

地下20メートルの場所に位置するため、130段ある螺旋状の階段を下りるところからミステリーツアーは始まります。降りるにつれて現実世界から離れていく感覚を味わうことでしょう。地下入口にはフランス語で“止まれ!ここは死の帝国である”という迫力満点のメッセージが刻まれています。

さて、この地下墓地が一風変わっている理由は、ここがもともと採石場だったということ。昔からパリは石造りの建物が主要ですが、材料となる石は地下から発掘していたそうで、カタコンブも以前は採掘場所だったそうです。
いくつもの歴史が交差し生まれたカタコンブですが、歴史が動き始めたのは18世紀の終わり頃。当時パリにあった地上建物内の納骨所は許容範囲を超え、衛生面での問題が後を絶ちませんでした。そこで既にあった地下の採石跡の空洞部分に、街中に溢れた遺骨を洗浄し移動させることが決まり、カタコンブが誕生しました。1786年から実に2年の年月をかけて移動させた遺骨ですが、1859年にオスマンのパリ大改造によってさらなる遺骨が発見されたため、さらにそれらも移され現在の形が出来上ったのです。

いざ、死の帝国に足を踏み入れるとそこは時を越えた“死”の世界。2kmに及ぶ地下道の壁は隙間なく手や足の骨、頭蓋骨で埋められています。果たして、誰がどのようにして亡くなった遺骨なのか…移動させられたという歴史上、今となっては解明不能で謎も多くスリル度が高まります。あまりに広い敷地のため、過去200年の間にはここカタコンブで迷った末に命を落とした人も。地下道を歩いていると本物のお墓もあり、そこは完全に異世界と言えます。
しかし、よく見ると骸骨でハートを模った場所もあり、遊び心を忘れないフランス人らしいエスプリも残されていて、ホラーだけではない発見も!

過去には工事や度重なる盗難などで一時閉鎖したことがありますが、現在はパリのカルナヴァレ美術館が管理をしており毎週火曜から日曜まで見学できます。訪れた人は、カタコンブを出て地上の現実世界に戻ったとき、安心感と幸福感があると言います。日本では絶対に体験できない600万人もの遺骨が眠るスリル満点スポット、カタコンブ・ド・パリ、パリにお越しの際は是非足を運んでみてください。

Catacombes de Paris

about the navigator

ELIE INOUE
NYでファッションライターとして3年の経験を積んだのち、パリに拠点を移す。
ファッション、アート、映画などクリエイターへの取材を通して”今のパリ”を発信中。
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