MITAD DEL MUNDO
(ECUADOR)
赤道直下のエクアドルにある赤道記念碑の謎…!?
赤道が通る国は14カ国。なかでもエクアドルは、首都が赤道から一番近く、赤道が通過する標高の最高地点があるんです。
国名のEcuador(エクアドル)は、スペイン語で赤道の意味。首都Quito(キト)は原住民の言葉で“地球の真ん中”を意味するほど赤道とは切っても切り離せない国。
そして更に、赤道通過地点にある赤道記念碑公園は、スペイン語で“地球の真ん中”を意味するMitad del Mundo(ミタデルムンド)と名付けられており、首都のキト市内観光では必ずと言っていいほど訪れる観光地にもなっています。しかし…赤道記念碑公園は実は赤道が通っていなかった!
堂々たる赤道記念碑
この赤道記念碑公園は、キト市内中心部から北に23Kmほどの位置し、フランスの科学アカデミーの測量により赤道通過地点として指定された場所です。当時測量に加わった世界の科学者の銅像や、展望台のある赤道モニュメントが公園の真ん中に鎮座する、とっても存在感のある公園です。
エクアドル料理に挑戦してみよう
公園内には、エクアドルの特産品を売るお土産物屋さんや、エクアドル料理を楽しめるレストランも立ち並び、とても賑やか。店頭で小動物の丸焼き料理をする光景が見られますが、これはクイ(天竺ネズミ)の丸焼き料理。エクアドルの山岳部で食べられる特別な日の料理なんです。
多彩なパビリオンや博物館
エクアドルの文化や歴史に関する展示パビリオンや博物館なども数多く併設されています。
エクアドルのピカソとも呼ばれるオズワルド・グアヤサミン(Oswald Guayasamin)の作品が紹介されれている美術館や、
他にも、フランスの科学アカデミーの測量の歴史を知る「フランス」パビリオン、プラネタリウム、民族博物館などがあり、どれも時間をかけてじっくり見学したい興味深いパビリオンばかりです。
イベントも盛りだくさん!
公園内で行われる季節ごとのイベントも、興味深いアトラクションの1つ。正午に太陽が赤道の真上にくる春分の日や、秋分の日には、太陽を神と崇めるインディヘナのお祭りが再現されたり、インカの時代から伝わる文化や風習を伝えています。また週末にはダンスや音楽などのショーも開催され、市民の憩いの場にもなっています。
本当の赤道直下は「インティニャン野外太陽博物館」だった?!
ただ…なんと現在の技術(GPS)で計った赤道0度線はここから250m離れた地点だったことが判明。
つまり、このモニュメントは赤道0度線ではない場所に建っています。たった250mの誤差しかなかった18世紀の測量技術は凄い!と受け止めるかは、あなた次第…
そして、GPSで計った赤道0度線を通ると言われる場所にあるのが、この赤道記念碑公園から歩いて5分程のIntiñan(インティニャン)野外太陽博物館。
この博物館では、各国の太陽のモニュメントが飾られ、エクアドル原住民の暮らしなどを紹介しています。
赤道上では卵を釘の上に立てられる、水の渦巻きは南・北半球で逆回転する、そして赤道上で体重を計れば軽くなる…などなど赤道ならではの数々の実験を体験出来て、観光客から人気を集めています。
しかし、このラインも実際には0° 0′ 0″から少しずれているんだとか…。なんとも南米エクアドルらしい大ざっぱさですが、是非いらした際は、GPSアプリで実際に計ってみてください!
世界一高い?チンボラソ山
最後にもう1つ。
世界の最高峰はエベレスト!というのは通説ですが、実は、地球の中心から測って一番遠い地点があるのは、エクアドルのチンボラソ山(6,268m)。海抜から計れば、エベレストのほうが約2,580m高いのですが、地球は正確な球体ではなく楕円形のため、地球の中心から測った場合、エベレストよりチンボラソ山は2,100m高いんです。太陽から最も近い地点が、チンボラソ山頂ということになります。
因みに、赤道が一番高い地点を通過するのは、カヤンベ山(5,790m)の斜面4,690m地点です!
インカ帝国の第二の首都だったキト。
太陽に近い2800Mの地に都を作り、インカの時代から太陽は神と崇められています。
少の誇張や誤差は気にしない!それがラテンの国エクアドル・スタイルです。太陽の道が通る国に住んでいる事を、思う存分楽しむのがエクアドル人。
赤道記念碑を訪れて、そんな陽気なかれらの文化にも是非触れてみるのはいかがでしょうか。