ゴールデン・フリース・イン (イギリス)

GOLDEN FLEECE INN
(UK)

イギリスの呪われた宿

イギリスにあるヨーク市は、伝統美を誇る最も気品の高い中世都市として人気がある。有名なヨーク大聖堂やシャンブルズ、世界中の鉄道マニアが集まる国立鉄道博物館など、豊かな観光スポットが立ち並ぶ。モダンなレストランやカフェ、ファショナブルな店舗が目白押しのヨークは、一度は住んでみたい都市にあげられるほどである。しかし、この華やかさとは裏腹に、実は、イギリスで最も呪われた都市として名高いことをご存知だろうか。

英国のテレビで放映された!

最も呪われた都市の最も呪われた宿と噂されるのが1503年開業の「ゴールデン・フリース・イン」である。2005年には、英国のテレビ局が取材に訪れるなど、テレビで放映されるほど有名である。この宿は、市内でも最も人通りの多いスクエアの近郊にある。宿からシャンブルズまで30秒、ヨーク大聖堂まで徒歩10分という立地の良さ。観光客にはまさに打ってつけの宿と言える。

とは言うものの、数えきれないほどの宿泊客が亡霊を目撃していることを忘れないでほしい。

賑やかな通りにある「ゴールデン・フリース・イン」

亡霊の正体は?

地下室、パブ、トイレ、居間、宿泊部屋(4部屋)を有するゴールデン・フリース・インには、5人から7人の亡霊が住み着いていると言われている。

亡霊1:
1700年頃に居住していたヨーク市長のジョン・ペケットの妻のアリスが出るらしい。シャンブル・ルームとペケット・ルームで老女アリスの亡霊が居間の壁面を通り抜ける姿が目撃されている。目撃者全てが老女がつけていたと思われる甘い香水の匂いを指摘している。

亡霊2:
黒いドレスを着た若い女性の亡霊がキャサリン・ルームの窓を横切るそうだ。目撃者は、目に見えないものによって肩を押さえ込まれる感じがしたと語る。不明な圧迫感が特徴だ。

亡霊3:
「グランピーな老人」と呼ばれる亡霊。この老人は、1階パブの小部屋にうずくまり、不機嫌な顔をしいたと目撃者の多くが語る。

亡霊4:
パブの正面ドアの真後ろに立つ少年の亡霊。ビクトリア時代の洋服を着ていたと目撃者は語る。その時代に、馬車に跳ねられて死亡したのではないかと推定されている。

亡霊5:
カナダ人と思われる亡霊。第一次世界大戦の軍人。戦時中に死亡したと推定されるが原因は定かではない。パブで酒を飲んだ後、首吊り自殺をしたのか、宿の3階から飛び降り自殺をしたのか、不明である。

他の亡霊は、ヨークに来て探し当てて欲しい。
撮影写真やビデオに亡霊が写っていたとの報告も多いと聞く。

亡霊について説明した看板
2階の亡霊が出る部屋

 

パブでは、アルコールや食事を楽しむことができる。
しかし、メニューを読むことができないほど暗い。ユニークだ。
亡霊の他に、伝統的なパブをイギリスで体験することも旅の良い思い出となるに違いにない。また、パブではギターの生演奏が毎月金曜日に楽しめる。ビールを片手に亡霊達と語ってみてはどうだろうか。

 

The Golden Fleece

about the navigator

ラッド順子
イギリス在住のライター。翻訳、通訳、日本語指導を同時進行しつつ、イギリスの面白い情報を発信。
ビジネス英語・英会話、英国教育、料理等の役立つ記事も多数執筆!
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