ワッツ・タワー (アメリカ)

WATTS TOWERS
(USA)

ぱっと見た感じはサグラダ・ファミリアのよう?!
ロサンゼルスのアイコン的存在のユニークな建築物

大小さまざまなタワーが並ぶ

アメリカ西海岸の玄関口、ロサンゼルス空港から車で20分ほどでいけるアクセス抜群の場所にある、知る人ぞ知る珍名所「ワッツタワー」。ここは、遠目から見るとサグラダ・ファミリアのようなカタチだが、実は学校でアートや建築を学んでいないサイモン・ロディア氏が制作したもの。イタリア移民のサイモン氏が鉱山や工事現場で培った技術で、33年の歳月を費やし一人で造りあげたという。「ワッツタワー」の名前の由来は、ワッツ地区にあるためそう呼ばれるようになった。

まるでサグラダ・ファミリアのような存在感

先端が尖った大小さまざまな17本の塔は、人が登れるように造られているわけではない。鉄骨が剥きだしになっていて、一番高いものはビル10階建てに相当するという。遠くから鑑賞するのもよいが、近くで見ると何ともユニーク。鉄骨や壁にカラフルな装飾がたくさんあるのだ。その素材はタイルや貝のほかに、普段飲んでいるセブンアップ、カナダドライ、牛乳の空き瓶だったり、食器の欠片を装飾したり、日常で使われているものを芸術に生まれ変わらせている。低予算で制作したと言われているが、タワーの力強さと対照的にカラフルで精細なデコレーションは見る人を魅了する。

壁画にはカラフルな装飾がたくさん
タワーにも装飾が施されている

一時は取り壊しの危機があったが、現在はアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定。地元の人に愛されているだけでなく、ロサンゼルスの名所となった。また、映画の都ハリウッドも近く、2016年公開された映画「ラ・ラ・ランド」をはじめ、数々の映画やミュージックビデオのロケーションにも使われている。
カリフォルニアの青空と一緒に写真を撮るのも絵になるが、夕暮れ時のワッツタワーもおすすめだ。

ワッツタワーをじっくり楽しみたい人はツアーへ参加しよう。通常タワーの敷地は入れないように鍵がかかってあるが、ツアーではガイドとともに敷地内に入れる。ツアーは木・金・土・日のみ。ただし野外のため雨の日はおこなわれておらず、ツアー料金はクレジットカードが使用できない。参加する場合は現金を忘れずに持っていこう。ワッツタワー横のアートセンターでは、ジャズフェステイバルなどさまざまなイベントが行われいる。ホームページでイベントを確認して行くとよいだろう。

タワー横にあるアートセンター

 

about the navigator

舟津カナ
ライター・ロケーションコーディネーター。
旅行会社・編集プロダクションを経て、現在はアメリカLAを拠点に世界を飛び回る。
山ガールというより山女。アウトドアを中心にアメリカの壮大さを発信しています。
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