PRINCIPATO DI SEBORGA
(ITALY)
面積たった4,87 km²!「自称独立国」のセボルガ公国
北イタリア、リグーリア州の西端。フランスとの国境近くに「自称独立国」のセボルガ公国として知られている村があります。
「自称」と肩書が付くのには、ちゃんと理由があります。それは、イタリア政府の見解は、あくまでもイタリア国内の普通の一つの村で、独立国だとは全く認めていないのですが、村人たちは「公国だ!」と主張しているんです。村人たちにもちゃんと根拠があり、1079年に既に独立公国であったこの村が、現在のイタリア共和国に編入される過程が曖昧だったことを理由にあげているのですが、実際にこの村を訪れると、政府と揉めている訳でも厄介者として扱われている訳でもなく、村人もどちらかというと「自称独立国」という肩書を楽しんでいるように感じました。
このニュースはお隣のフランスでも話題となったため、フランス人観光客をはじめ、この小さな「自称独立国」は人気の観光地となっています。村の入り口にも「セボルガ公国へようこそ」という看板が掲げられていたり、村中の至る所にセボルガ公国の旗が誇らしげに掲げられています。
また、とあるお店には「店内の全商品の価格はルイジーノで表示されています」と注意書きが掲げられていました。実は、セボルガ・ルイジーノというのが、この公国内で流通するとされる独自の通貨なのですが、実はちゃんと下に「アメリカドルとユーロの支払いも可能です」とも書かれていて、村人の遊び心を感じさせます。
村の家に「国王の家」と書かれていた小さなお城が庭にあるおうちもあったりして、クスっと笑ってしまいました。また、衛兵の警備所なども手作り感たっぷりで、どこか茶目っ気たっぷりに感じられますが、村の雰囲気はまるで中世時代の映画のセットにそのまま使えそうなほど、中世の雰囲気を感じさせる建物が並んでおり、とても素敵です。村中に鎧をまとった中世の騎士の絵が多く見られますが、建物の陰からふと中世の騎士が出てきそうなほど、雰囲気のある村です。
この「自称独立国」のセボルガ公国は、ミモザの花が初めて栽培されるようになった場所としも有名です。日本ではまだあまりメジャーではないようですが、こちらイタリアやヨーロッパでは、3月8日の女性国際デーには女性にミモザを贈る習慣があるため、1月~3月には、村で栽培されているミモザが開花し、丘がミモザの小さな黄色い可愛らしい花で覆われるそうで、満開のミモザを見に来る観光客が多いそうです。