MUSEO DE LAS MOMIAS DE GUANAJUATO
(MEXICO)
世界遺産の街グアナファトのちょっと不気味なミイラ博物館
グアナファトはメキシコ中部にあるコロニアル調の街並みが美しい世界遺産の街。カラフルな家が所狭しと並び、迷路のように小道が入り組んだグアナファトは、多くの観光客を魅了します。そんなグアナファトのちょっと不気味な珍スポットを紹介します。
世界でも珍しいミイラ
ミイラといえば有名なのがエジプトの王ツタンカーメン。古代エジプトでは死者の魂を生かしておくためには肉体をなるべく生前のまま残す必要があると考えられていたため、遺体を保存する慣わしがありました。ここがグアナファトのミイラとちょっと違う点です。グアナファトのミイラは偶然の賜物。たまたまその土地の気候や、土の成分などの条件があったため、自然と土葬された遺体がミイラ化されたと考えられています。詳しい原因はまだわかっていないそうですが、世界でも稀に見る好条件のおかげで、保存状態がとても良いミイラができたのではないかとされています。この不思議な現象は世界中の研究者の関心を呼び、様々な研究の対象になっています。
1865年に初めてミイラが発見され世界中を驚かせてから1989年にかけて、100体以上のミイラが掘り起こされ、現在グアナファトの博物館にて展示されています。今ではグアナファトの街のシンボルとして毎年多くの観光客を集める人気スポットとなっています。
ミイラ博物館では、多種多様な原因で亡くなった老若男女の111体のミイラを見物することができます。展示されているミイラの中でも注目なのが世界で最も小さいと言われるミイラと妊婦のミイラです。
ミイラ博物館のミイラは保存状態がとても良く、衣服もそのまま残されているため、今にも目を覚まして動き出しそうなリアル感。安らかな表情のミイラにコミカルな表情のミイラ、それぞれ生前の個人の性格を表すかのように個性的なミイラをじっくりと見物できるのは世界でもここだけです。
ミイラの都市伝説!?
19世紀初期、グアナファトではペストが大流行し、多くの人々が犠牲となりました。当時ペスト患者の遺体は感染を防ぐため、すぐに土葬するのが一般的でした。ところが、ペスト感染者の中には、症状によって一時的に死んだようなショック状態に陥ることが稀にあったそうです。あまりの犠牲者の多さに、死亡宣告も煩雑になっていたこともあり、目が覚めると地中深くの棺の中、なんてことも。真っ暗で絶望の中、苦しみながら死んでいったのだとか…
ちょっと悪趣味ですが、そんな悲惨な運命を辿った犠牲者のミイラは「ミイラ博物館」の目玉でもあります。生き埋めになった犠牲者の苦しそうな表情、悶絶のあまり体をよじらせたミイラの姿はおもわず目を背けたくなってしまいます。ちょっと不気味なミイラ博物館。怖いもの見たさで足を運んでみては?