TAMAN WARISAN DUNIA JONKER WALK
(MALAYSIA)
世界遺産の街マラッカのおしゃれな通りにある謎公園
マレーシアにある世界遺産の街マラッカ。
築き上げたマラッカ王国を欧米に支配されるなど、激動の歴史が異国情緒あふれる風景をつくりだしているのが特徴だ。
特に注目されているのがジョンカーストリート。古くから多くの華僑が住んでいた町屋づくりそのままに、最近は内装だけリノベしたおしゃれなカフェやアパレル、オリジナルの小物を扱うショップも増えている。その新旧のコントラストは、マラッカの竹下通りと呼べそうなほどおしゃれなセンスだ。
散策をしているとふと出現するのがタマン・ワリサン・ドゥニア・ジョンカー・ウォーク公園(Taman Warisan Dunia Jonker Walk)。現地中国語表記で「鷄塲街世遺公園」。どうやら2010年にオープンした世界遺産にちなんだ観光名所らしいが、見た感じ歴史的都市郡とはあまり関係なさそうな香りがする。あえて言うなら世界遺産指定のエリアにある公園だ。
門をくぐると公園の真ん中に、笑みを浮かべガッツボーズしたマッチョな男性の上半身の銅像がいきなり現れる。「これ誰?」と瞬間思うのだが、銅像になっているぐらいだからマレーシアの歴史的な偉人に違いない。なにしろ世界遺産指定の名を冠した公園のセンターを張っているわけだから。
彼の名はガン・ブーン・レオン。別名「ミスター・ユニバース」「ミスター・アジア」「ミスター・マレーシア」「ミスター・マラッカ」と呼ばれているらしい。ユニバース(宇宙)までもを掌握しているのはすごいが、これだけ言われてもちょっとわからない。実は彼はマレーシアのボディビルダー界の父と呼ばれているらしい。マラッカでは有名な人で、ここ以外にも3カ所に銅像があるらしい。マレーシアではボディービルがアツいというより、彼のボディビルスタジオの前の土地を寄贈して公園にしたとの説もある。
タマン・ワリサン・ドゥニア・ジョンカー・ウォーク公園は、ガン氏だけをたたえたというわけでもないらしい。というのも周りには、どうみても縁起物的な風情をかもしだしている「象」「龍」「牛」の銅像も配置されているからだ。
しかしこの公園、ベンチやちょっとした植え込みはあるのだが暑いマレーシアの日射しをさえぎる木陰もない。あるのはボディビルダー、象、龍、牛の銅像。なのになぜか人々が吸い寄せられるように出入りしている。そしてお約束だが銅像の前でガッツボーズの自撮りをしている人多数なり。