萬佛寺
(HONG KONG)
黄金色に輝くヘンテコ仏像が並ぶ香港の珍寺
週末にお手軽に行くことができる海外の珍スポットが何処かないかと調べていたところ、金色のユニークな仏像が無数に並べられている“萬佛寺”という珍寺が香港にあることを発見。早速、ここ数年の出張でたまったマイルを使って金曜深夜羽田発―香港早朝着の便をゲットし週末の香港へと旅立った。
朝5時前の香港空港に降り立つものの、お目当ての萬佛寺は9時に開園なので、とりあえず始発のエアポートエクスプレスで香港島に向かい、ぶらぶらと散歩を開始した。ハイヒール片手に裸足で帰路につくクラブ帰りのギャルや公園でiPadを見ながら太極拳の練習をしているオバちゃん達を眺めながらビクトリアピーク行きのピークトラム乗り場に向かった。早朝なので並ぶことなくトラムに乗ってビクトリアピークに到着。一通り景色を眺めた後、頂上の茶屋でお粥と焼きそばの朝食を食べて一休憩。ここのお粥がこの旅で一番おいしかった。再びトラムで降りてMTRで移動しインスタグラマーに人気なモンスターマンション(益發大厦)を見た後、さらにMTRに乗りついで目的の“萬佛寺”を目指し沙田駅へ向かった。
グーグルマップを見ながら、ショッピングモールの裏の人もまばらな小道をたどっていくと萬佛寺と書いた小さな看板を発見できる。
入場料無料であるため入口に管理人の姿は無く若干寂しい感じだが、山の上へと向かう坂道には無数の金色の仏像が両脇に並べられている。若干安っぽい作りだが、セクシー仏像やアル中仏像など日本ではあり得ないようなユニークな仏像で満ち溢れている。
この仏像たちは五百羅漢という厳しい修行の末、特殊な能力を得た500人の仏弟子をモチーフに作られているらしいのだが、誰一人まともな奴がいないのがすごい。
上に行くに従いより特殊な能力を身につけているのか、眉毛伸ばし老人や手伸ばし仏像など人間離れした仏像達がつぎつぎと現れ、他の仏教寺では見かけない楽しげな仏弟子たちで出会うことができます。
坂を上りきると山の中腹には萬佛寺の本堂らしきお寺があり、これより上はユニーク仏が減り、真面目な仏像も増えてくる。
後で調べたところ、本堂の中にこの萬佛寺を開山した月渓法師のミイラが安置されているそうだが、本堂以外に見どころたくさんで、自分が訪れた際は気付くことができませんでした、残念。
また、本堂の横にはレトロな食堂があり軽食をとることができる。ちょうど8月末の猛暑の中急な坂道を登ってきたため、脱水状態で喉がカラカラになっていたので、とりあえず冷たい飲み物でも飲もうと食堂に入ってコーラを注文。ベジタブル専門の食堂らしく、メニューにはいろいろなベジ料理があったのでせっかくなので適当に注文して食べてみたが、何が原材料か不明な料理で少し残念な味でした。味は保証できませんが、珍しいものが食べられるという意味ではチャレンジしてみるのもいいかも?
山の上なので、景色も良し。結構登るので歩きやすい靴で行くことをおすすめします。
中華圏では比較的有名な甲子太歳金辨大将軍(目から手が生えている)や、インドの神様が由来の鳥人間・迦楼羅やお馴染み阿修羅っぽい仏像もあります。
本堂の奥にある階段を下っていくと、沙田駅前にある「排頭村」という小さな村に辿り着いた。ここに子供がままごとで使うような、紙でできた雑貨を模したおもちゃが売っているお店がある。食べ物、服や靴、ヴィトンぽいカバン、ノートパソコン、iPhoneなど、身の回りの様々なモノの模型が並んでいる。
じつはこの模型、お葬式の時に使われる副葬品。亡くなった人が好きだったアイテムの模型や紙銭と呼ばれる模擬紙幣などを一緒に燃やすのだそう。子供へのお土産として買わないように注意してほしい。